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税制改正

令和3年 税制改正-法人税・消費税-【youtube】

2021.04.22

法人課税・消費課税

1.設備投資減税の見直し・延長(法人税・所得税)

①中小企業経営強化税制の見直し(対象設備の追加)と2年延長

経営力向上計画に基づいて設備投資を行った場合に、即時償却又は税額控除(10%又は7%)のいずれかを適用できる制度について以下の見直しが行われています。

対象資産に経営資源集約化設備(D類型)(M&Aの効果を高める設備として修正ROA(総資本利益率)又は有形固定資産回転率が一定以上上昇する設備)が追加されています。

適用期限が令和5年3月31日まで2年延長されています。

②中小企業投資促進税制の見直しと2年延長

一定の設備投資を行った場合に特別償却(30%)又は税額控除(7%)のいずれかを適用できる制度について以下の見直しが行われています。

(1)対象事業の追加
イ 不動産業
ロ 物品賃貸業
ハ 料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業
(生活衛生同業組合の組合員が行うものに限ります)
(2)対象となる法人に商店街振興組合が加わりました。
(3)対象資産から匿名組合契約等の目的である事業の用に供するものが除外されます。
(4)適用期限が令和5年3月31日まで2年延長されました。

2.中小企業技術基盤強化税制の拡充・延長(法人税・所得税)

中小企業が研究開発投資を行った場合の税制について下記の改正が行われました。

①試験研究費割合(※1)が10%超の場合の控除上限に法人税額の10%を上乗せする措置の適用期限が令和5年3月31日までとされました。

②増減試験研究費割合(※2)が8%超の場合に控除上限を上乗せする措置が9.4%超の場合に見直された上で、適用期限が令和5年3月31日までとされました。
※1 試験研究費の額/平均売上金額
※2 (当期の試験研究費の額-比較試験研究費の額)/比較試験研究費の額

③コロナの影響により売上高が2%減少しながらも試験研究費の額を増加させた場合には、控除上限に更に法人税額の5%を上乗せできることとなりました。
これは令和3年4月1日から令和5年3月31日までに開始する事業年度に適用されます。
※①と②は選択適用となります。

3.新たな投資促進税制の創設(法人税・所得税)

①DX(デジタルトランスフォーメーション)投資促進税制の創設
(1)産業競争力強化法(以下「強化法」といいます)の改正を前提に、
(2)青色申告書を提出する法人で、
(3)同法の事業適応計画(仮称)について認定を受けた者が、
(4)令和5年3月31日までに、
(5)その計画に従って実施される強化法の事業適応(仮称)の用に供するためにソフトウェアの新設・増設等のデジタル関連投資をした場合には次の選択適用が認められます。
(イ)対象資産である事業適応設備等の取得価額の30%の特別償却
(ロ)対象資産である事業適応設備等の取得価額の3%(※1)の税額控除(※2)
※1 グループ企業外の事業者とデータ連携をする場合には5%
※2 「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制の税額控除制度」による控除税額との合計で、当期の法人税額の20%が上限とされます。

②脱炭素(カーボンニュートラル)に向けた投資促進税制の創設
(1)強化法の改正を前提に、
(2)青色申告書を提出する法人で
(3)同法の中長期環境適応計画(仮称)について認定を受けた者が、
(4)令和6年3月31日までに、
(5)その計画に記載された「脱炭素化効果を持つ製品の生産設備」又は「生産工程等の脱炭素化と付加価値向上を両立する設備」の取得等をして
(6)国内の事業の用に供した場合には次の選択適用が認められます。
(イ)設備の取得価額の50%の特別償却
(ロ) 設備の取得価額の5%(※1)の税額控除(※2)
※1 温室効果ガスの削減に著しく資するものにあっては10%
※2 「DX投資促進税制の税額控除制度」による控除税額との合計で、当期の法人税額の20%が上限とされます。

4.所得拡大促進税制の見直しと2年延長(法人税・所得税)

中小企業が、従業員への給与等を前年度より一定割合増加させた場合の税額控除について
次の改正が行われました。

①継続雇用者(※1)の概念が廃止され、雇用者給与等支給額(※2)が前年度比で1.5%
(上乗せ要件の場合は2.5%)増加していれば適用可能となりました。
※雇用保険の被保険者で、前期と当期の各月において給与等の支給を受けた国内雇用者
※2 企業全体の給与で役員とその家族の給与を除きます

②上乗せ措置については税額控除率が15%から25%となりました(法人税額の20%が上限)。

③適用期限が令和5年3月31日まで延長されています。

5.中小企業の経営資源の集約化に資する税制の創設(法人税)

中小企業の株式を取得(M&A)した後に簿外債務、偶発債務等が顕在化するリスクに備えるため、準備金を積み立てたときは、損金算入を認めるというものです。

①中小企業等経営強化法の改正を前提に

②青色申告法人である中小企業者のうち

③中小企業経営強化法の経営力向上計画(経営資源集約化措置(仮称)が記載されたもの)の認定を受けた者が

④令和6年3月31日までに

⑥その取得日を含む事業年度終了の日まで引き続き有している場合において

⑦その株式等の取得価額の70%以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として積み立てたときはその積み立てた金額をその事業年度の損金に算入できることとなります。
この準備金は一定の場合を除き、その積み立てた事業年度の翌事業年度から5年経過後の事業年度から5年間で準備金の均等額を取り崩して益金にしていくこととなります。

6.中小企業者等の法人税の軽減税率を2年延長(法人税)

普通法人で、資本金1億円以下の法人については、課税所得金額が年800万円以下の部分については本来19%のところ15%で課税されていますが、この措置が2年延長され、適用期限が「令和5年3月31日までに開始する事業年度」とされています。

7.課税売上割合に準ずる割合の適用開始時期(消費税)

課税売上割合に準ずる割合に基づいて仕入控除税額を計算する場合には、その適用を受けようとする課税期間の末日までに、承認申請書を提出し税務署長の承認を受ける必要がありました。
これが適用を受けようとする課税期間の末日までに、承認申請書を提出し、同日の翌日以後1ヶ月を経過する日までに税務署長の承認を受けることで、 承認申請書を提出した課税期間から適用できることとなりました。
この改正は、令和3年10月1日以後に国内において行う課税仕入れについて適用されます。

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