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令和2年4月に消費税法が一部改正されました。その中で10月1日以後に適用
される居住用賃貸建物の取得等に係る消費税の仕入税額控除制度の適正化につい
て、ご説明させて頂きます。

□概要

1.居住用賃貸建物の取得等に係る仕入税額控除の制限

事業者が国内において行う居住用賃貸建物(住宅の貸付の用に供しないことが明
らかな建物以外の建物であって[※1]高額特定資産又は[※2]調整対象自己
建設高額資産に該当するもの)に係る課税仕入れ等の税額については、仕入税額
控除の対象としないこととされました。

※1 高額特定資産とは、一の取引単位につき、課税仕入れ等に係る支払対価の
   額(税抜き)が1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産をい
   います。

※2 調整対象自己建設高額資産とは、他の者との契約に基づき又は事業者の棚
   卸資産として自ら建設等をした棚卸資産で、その建設等に要した課税仕入
   れに係る支払対価の額の100/110に相当する金額等の累計額が
   1,000万円以上となったものをいいます。

□適用開始時期

令和2年10月1日以後に行われる居住用賃貸建物の課税仕入れ等の税額につい
て適用されます。

□経過措置

令和2年3月31日までに締結した契約に基づき令和2年10月1日以後に行わ
れる居住用賃貸建物の課税仕入れ等については、上記の制限は適用されません。

2.居住用賃貸建物の取得等に係る消費税額の調整

上記1「居住用賃貸建物の取得等に係る仕入税額控除の制限」の適用を受けた
「居住用賃貸建物」について、次のいずれかに該当する場合には、仕入控除税額
を調整することとされました。

①[※3]第三年度の課税期間の末日にその居住用賃貸建物を有しており、か
 つ、その居住用賃貸建物の全部又は一部を[※4]調整期間に[※5]課税賃
 貸用に供した場合、一定の算式で計算した消費税額を第三年度の課税期間の仕
 入れ税額控除額に加算します。

 加算する消費税額 = 居住用賃貸建物課税仕入れ等に係る消費税額 ×

            Aのうち課税賃貸用に供したものに係る金額 /

            調整期間に行った居住用賃貸建物の貸付の[※6]対
            価の額の合計額(A)

②その居住用賃貸建物の全部又は一部を調整期間に他の者に譲渡した場合、一定
 の算式で計算した日の属する課税期間の仕入控除税額に加算

 加算する消費税額 = 居住用賃貸建物の課税仕入れ等に係る消費税額 ×

            (Bのうち課税賃貸用に供したものに係る金額 + C
            の額) /

            ([※7]課税譲渡等調整期間に行った居住用賃貸建
            物の貸付の※6対価の額(B)

            + 居住用賃貸建物の譲渡の※6対価の額(C))

※3 第三年度の課税期間とは、居住用賃貸建物の仕入れ等の日の属する課税期
   間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間をいいます。

※4 調整期間とは、居住用賃貸建物の仕入れ等の日から第三年度の課税期間の
   末日までの間をいいます。

※5 課税賃貸用とは、非課税とされる住宅の貸付以外の貸付の用をいいます。

※6 対価の額は税抜き金額で、この対価の額について値引き等(対価の返還
   等)がある場合には、その金額を控除した残額で計算します。

※7 課税譲渡等調整期間とは、居住用賃貸建物の仕入れ等の日からその居住用
   賃貸建物を他の者に譲渡した日までの間をいいます。

□ 参考資料

国税庁より 消費税法改正のお知らせ Ⅱ.居住用賃貸建物の取得等に係る消費
税の仕入時額控除制度の適正化

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/r02kaisei.pdf