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資格取得への道- Qualification

効率的な勉強法

2021.09.30

試験勉強のコツは?

ここからは私が実際に行っていた勉強方法(考え方や対策)などをお話ししたいと思います。
勉強の仕方はもちろん人それぞれですので参考の一つにして頂ければと思います。

先ほども言いましたが税理士試験は相対評価です。
また、税理士試験は公式な模範解答が公表されないため過去の試験でもどこにどれだけの点数が配点されているかもわかりません。そして合格率は10%台。これらの条件を考えた時に最も重要なのは、ほとんどの人が解答できる問題は間違いなく解答しなければならないという点とほとんどの人が捨てる問題はあまりやる必要がない(配点が低い)という点です。
結果的にほとんどの人が解答できる問題を解答したうえで上位10%の人が解答できる問題が解答できるかどうかが合否の分かれ目という結論になります。試験時間は2時間と決められているのでやる問題やらない問題の取捨選択が必要になります。

私は独学をおすすめしませんと言いましたがその理由がここです。
ほとんどの人が受けている講座を勉強することがほとんどの人ができる問題を判断する重要な材料になります。税理士試験を受ける人の多くは大原かTACのどちらかに通っていると思いますが、私は受けていた大原だけではなくTACの模試なども積極的に入手するようにしていました。試験前に発売される会計人コースのここが出る特集などはすべてチェックしていました。受験生の多くが見ていると思ったからです。

次に理論問題の対策です。
税理士試験の科目の多くは100点満点中、理論が50点、計算が50点となるためどちらかが苦手となると間違いなく合格から離れることになります。特に理論は暗記という作業に多くの労力を使うため苦手(嫌い)な人が多いと思いますが私は理論問題が得意でした。

理論の暗記というのは当然、一度で覚えられるものではありません。
時間をかけて暗記してもすぐに忘れます。忘れたらしつこく覚え直しますがまたすぐに忘れます。
私の経験上、1度目より2度目の方が覚える時間が短くなります。そして2度目より3度目の方がさらに短い時間で覚えられるようになります。忘れる時間も1度目は3分後に忘れていたものが2度目は5分後も覚えているようになります。それを毎日繰り返します。理論暗記の最終的なゴールは試験時間の2時間だけ必要な条文を覚えていればいいのです。
日々暗記の作業を繰り返すことで試験当日の朝に1時間ですべて覚え直し、試験中の2時間覚えていることができます。

理論暗記は努力が必要です。ただ、苦手な人が多い理論問題を得意にすることが合格への近道だと思います。

次に計算問題の対策です。
私の1日の勉強のスケジュールとしては朝、個別計算問題と理論問題、夜に総合計算問題と理論暗記という感じでした。朝起きて顔も洗わず寝ぼけた状態で計算問題を解くと自分の計算問題の実力がわかります。同じ状態で理論問題を解くと苦手な理論問題に気付きます。

夜は時間のかかる総合計算問題を解答しますがペンを2種類用意して時間を計ります。
決めた時間までは黒ペンで、時間を超えたところは青ペンで解答することで自分の時間のかかるところや苦手な項目などがわかってきます。
また、あいまいなところはとりあえず解答などせず空欄にしておきます。たまたま解答できたものは復習が漏れやすいからです。

仕事をしながら勉強し合格するためには効率を考えながら戦略的に試験勉強を進めることが必要不可欠です。

試験日当日の心得は?

まず、試験前日は当日に備えてしっかり休むことをおすすめします。
やはり、前日に頑張りすぎると疲れが残り当日に力を発揮できずに終わります。しっかりと無理のない勉強スケジュールを決めてその通り進めることが試験本番の気持ちの余裕にもつながります。
朝は試験会場に一番乗りするのがおすすめです。早めに会場入りすることで緊張もほぐれ、この時点でギリギリに来る人との間に気持ちの差が生まれます。
試験中、最も重要なのは自信を持つことです。当たり前のようですがこれが一番のポイントかもしれません。
何度も言いましたが税理士試験は相対評価です。自分ができないところは誰もできないだろうと判断し捨てる勇気を持つこと、このくらいの自信を持つために一年間、毎日勉強していたと言っても過言ではありません。

ズバリ!ここに気をつけろ!

税理士試験はとても長く過酷な試験です。
個人差もありますがすべて合格するのに10年かかることも珍しくありません。
この税理士試験を勝ち抜くには並々ならぬモチベーションが間違いなく必要です。
どんな試験でも普通は結果がすべてと考えてしまいがちですが、この長期戦である税理士試験に関しては結果にこだわり過ぎることはモチベーションを保つうえで大きなマイナス要因となります。
結果にこだわった場合、合格した年は来年へのモチベーションを高く維持しやすいですが、不合格の年は来年へのモチベーションを保つことがかなり難しくなります。
そこで諦めてしまう人を何人も見てきました。その対策(気持ちの持ち方)として最も有効なのはとことん内容にこだわることでした。
知識をつけるためにテキスト以外の書籍を読んだり判例などを調べたりと自分で勉強を楽しむ工夫をすることでモチベーションは自然と維持されることに気づきました。私が税理士試験をすべて終えてから思うのは1年勉強した科目より(不甲斐なく落ちて…)2年勉強した科目が日々の実務では得意分野となったと感じています。
ぜひ参考にして頂ければと思います。

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