【税制改正】「年収の壁」178万円はまだ先?令和7年分申告の注意点と、暗号資産・青色申告の将来像
- 「年収の壁」:今回(R7)の緩和と、今後(R8)の議論を整理
ニュースで話題の「年収の壁(178万円)」ですが、今回の確定申告(令和7年分)ですぐに適用されるわけではありません。
混同しやすいポイントですので整理します。
今回の申告(令和7年分):
基礎控除や給与所得控除が見直され、従来よりも所得税がかかりにくい設計(壁の実質的な緩和)に変更されています。まずは「103万円」という過去の基準だけで判断せず、改正後の計算式で正しく判定することが大切です。
今後の方向性(令和8年度大綱):
「課税最低限を178万円まで引き上げる」という話は、令和8年度税制改正大綱で示された方針であり、法案成立後に具体化される未来の話です。今回の申告には直接適用されませんのでご注意ください。
- 暗号資産:個人は「20%分離」案、法人は「期末評価」が焦点
暗号資産(仮想通貨)についても、将来的な改正案と現行ルールを区別する必要があります。
個人の方(R8大綱案):
登録業者を通じた「特定暗号資産」の譲渡益等を、申告分離課税(20%)とし、損失繰越(3年)を認める案が出ています。ただしこれは改正案ですので、今回の申告は原則通りの区分で行います。
法人の方(実務):
法人が保有する場合、保有目的や譲渡制限の有無(特定暗号資産かどうか)によって、期末の時価評価課税の対象になるかどうかが変わります。決算に向けて、自社の保有状況の確認が必要です。
- 青色申告:デジタル対応で控除額に差がつく時代へ
青色申告特別控除の見直しも予定されています。
令和8年度大綱では、e-Taxや電子帳簿保存の対応状況に応じて控除額にメリハリを付ける(例:デジタル対応なら増額、未対応なら減額など)方針が示されています(令和9年分以後予定)。今のうちに会計ソフト等のデジタル化を進めておくことをお勧めします。
まとめ
税制改正の過渡期は判断に迷うことも多いかと存じます。ご自身の状況に合わせたシミュレーションは、弊社までお気軽にご相談ください。
参照・引用URL
国税庁:令和7年度税制改正(基礎控除・給与所得控除の見直し等)
国税庁:確定申告(令和7年分)の申告期間Q&A
財務省:令和7年度税制改正の大綱(概要)
財務省:令和8年度税制改正の大綱(PDF)
財務省:令和8年度税制改正の大綱(青色申告特別控除の見直し箇所)
財務省:令和6年度税制改正の大綱(暗号資産:法人の期末時価評価課税の見直し関連)
